- HDVを保有している方
- 米国高配当ETF投資に興味のある方
- HDVホルダーの運用実績が気になる方
こんな方に向けた記事です。
米国高配当ETFの2021年3月の分配金発表もHDVで最後となりました。
本記事では「HDVの2021年3月分配金」と「運用実績」について取り上げていきます。
すでに発表されている、SPYD/VYM/VIGはコロナショックからの回復が鮮明となる結果でした。
HDVも同じく大幅な増配を期待していましたが・・・
HDVはまさかの減配という結果となりました・・・。
コロナショック後、米国高配当ETFの中では一番株価の戻りが遅く、心配はしていましたが、まさか減配とは・・・。
今回は2021年3月の分配金速報と、基本情報の振り返り、私の運用実績をまとめてみました。
それでは詳しい内容を見ていきましょう。
HDVの2021年3月分配金速報と分配金の推移
まずは2021年3月に公開された、3月の分配金を見ていきましょう。
2021年3月の分配金はまさかの減配・・・
HDV | 3月の分配金 |
---|---|
2012年 | 0.525995 |
2013年 | 0.5397 |
2014年 | 0.566408 |
2015年 | 0.716815 |
2016年 | 0.676805 |
2017年 | 0.722884 |
2018年 | 0.798621 |
2019年 | 0.82208 |
2020年 | 0.914362 |
2021年 | 0.882118 |
2020年対比 | -3.53% |
2021年3月の分配金は
- 0.882118ドル
- 2020年3月対比で-3.53%の減配
と「まさかの減配」という結果となりました。
HDVはコロナショック後の株価低迷が気になっていましたが、
- HDVは2016年の減配以外、3月は全て増配していた
- コロナ影響の全体像も明らかで、企業活動も再開されている
- SPYD/VYM/VIGは増配していた
これらの理由から「HDVも増配するはず!」と考えていました。
しかし、結果はまさかの減配となり「株価にも業績不振・減配が織り込まれていた」のかもしれません。
減配幅は対前年比で-3.53%と大きくはありませんでしたが、他の米国高配当ETFが大幅増配を記録していただけに、ショックですね・・・。
HDVの月別分配金推移
HDVの月別の推移を見ていきましょう。
HDV | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
2011年 | 0.244425 | 0.290032 | 0.380636 | |
2012年 | 0.525995 | 0.540186 | 0.516377 | 0.510864 |
2013年 | 0.5397 | 0.554364 | 0.556958 | 0.579414 |
2014年 | 0.566408 | 0.593282 | 0.626301 | 0.665232 |
2015年 | 0.716815 | 0.724784 | 0.722168 | 0.715673 |
2016年 | 0.676805 | 0.679421 | 0.687623 | 0.655685 |
2017年 | 0.722884 | 0.718133 | 0.73165 | 0.776321 |
2018年 | 0.798621 | 0.7964 | 0.791106 | 0.70881 |
2019年 | 0.82208 | 0.750368 | 0.857381 | 0.778998 |
2020年 | 0.914362 | 0.879497 | 0.850765 | 0.923235 |
2021年 | 0.882118 |
HDVも10年近い運用歴があるため、分配金の推移もグラフで見ると非常にわかりやすいです。
- 時折、対前年比マイナスの月もあるが、基本的には右肩上がり
- 他の米国高配当ETFと異なり、月による分配金の差があまりない
- 3月で初めて対前年比マイナスとなった2016年は、他の月も全てマイナスとなっている。
今まで3月で唯一対前年比マイナスとなった2016年は、他の付きでも全てマイナスとなり、通年でも大幅マイナスとなりました。
対前年比マイナスとなってしまった2021年は、この傾向を破れるかが今後の見どころとなりそうです。
HDVの年別分配金推移
続いて、年別の分配金推移を見てみましょう。
HDV | 対前年比 | 年間合計 |
---|---|---|
2011年 | – | 0.915093 |
2012年 | 128.77% | 2.093422 |
2013年 | 6.54% | 2.230436 |
2014年 | 9.90% | 2.451223 |
2015年 | 17.47% | 2.87944 |
2016年 | -6.25% | 2.699534 |
2017年 | 9.24% | 2.948988 |
2018年 | 4.95% | 3.094937 |
2019年 | 3.68% | 3.208827 |
2020年 | 11.19% | 3.567859 |
2021年 | – | 0.882118 |
年単位で見ると、2016年で一度減配してしまったものの、翌年から4年連続増配を続けていることがわかります。
2009年に2.09だった年間分配金は、2020年には3.56と約1.7倍に成長しています。
増配率を計算してみると・・・
- 1年:11.19%
- 3年:6.56%
- 5年:4.38%
- 10年:9.3%
- トータル:6.89%
と、増配率はそこまで高くないものの、非常に安定的な増配を続けていることがわかります。
特にコロナショックの2020年でも約11%の増配と、他の高配当・増配ETFの中で1番大きい増配率でした。
そんな実績を持っていただけに、今回の減配は驚きを隠せませんでした・・・。
HDVの基本情報・セクター別シェア・株価
続いて、HDVの基本情報の振り返りとセクター別のシェアを見ていきましょう。
HDVの基本情報
運営会社 | ブラックロック |
運用開始 | 2011年3月 |
経費率 | 0.08% |
純資産額 | 6,900億円 |
分配利回り | 2.84% |
ベンチマーク | モーニングスター配当フォーカス指数 |
投資対象 | 財務健全性と配当利回りの高い企業 |
組入銘柄数 | 75銘柄 |
- 財務健全性が高く配当利回りの高い企業で構成されている
- 分配金利回りは、SPYDより低く、VYMよりは高い
- 組入銘柄数は75銘柄とSPYDとほぼ同等。VYMと比較すると銘柄数は少ない
HDVのセクター別のシェア

業種 | 組入比率 |
---|---|
エネルギー | 17.97% |
ヘルスケア | 16.63% |
生活必需品 | 15.52% |
金融 | 13.66% |
情報技術 | 11.11% |
HDVは1つのセクターで20%を超える業種はなく、特定の業種に偏っているわけではありません。
しかし上位3セクターで50%、上位5セクターで75%のシェアを占めています。
特に景気敏感セクターである
- エネルギー:17.97%
- 金融:13.66%
の2セクターで30%を占めています。
そのため、コロナショックの影響が特に大きく、株価の戻りも遅く、減配という結果にもつながってしまいました。
HDVのTOP10銘柄
ティッカー | 銘柄名 | 業種 | 保有比率(%) |
---|---|---|---|
XOM | EXXON MOBIL CORP | エネルギー | 8.43 |
JNJ | JOHNSON & JOHNSON | ヘルスケア | 6.79 |
JPM | JPMORGAN CHASE & CO | 金融 | 6.69 |
VZ | VERIZON COMMUNICATIONS INC | 通信 | 6.51 |
CVX | CHEVRON CORP | エネルギー | 5.86 |
PG | PROCTER & GAMBLE | 生活必需品 | 5.13 |
MRK | MERCK & CO INC | ヘルスケア | 4.21 |
MO | ALTRIA GROUP INC | 生活必需品 | 4.12 |
KO | COCA-COLA | 生活必需品 | 3.99 |
CSCO | CISCO SYSTEMS INC | 情報技術 | 3.93 |
上位10銘柄でポートフォリオの約50%を占めています。
75銘柄のうち10社でポートフォリオの1/2を占めている形となります。
- エネルギーセクターで高配当の代表格である「エクソンモービル」「シェブロン」
- 金融セクターの「JPモルガン・チェース」
と、景気敏感セクターの銘柄が上位を占めています。
HDVの株価

こちらはHDVの5年チャートとなります。
コロナショック時は35%程度株価は下落しました。
景気敏感セクターである「エネルギー」「金融」の影響が大きく、株価の戻りは非常に遅い状況です。
SPYD/VYM/VIGと、コロナショック前の高値を更新している中、HDVのみがコロナショック前の水準に戻ることが出来ていません。
今回のコロナショックで「HDVは景気敏感セクターが多く経済危機に弱い」という傾向がわかりました。
こういった傾向を掴んでおくことで、次の経済危機が起きた時にどういうバランスで保有をするべきかの材料になりますね。
私の運用実績と今後の運用方針
最後に私のHDVの運用実績と今後の運用方針について取り上げていきます。
私の運用実績
保有数量 | 92 |
取得単価(円) | 8,693 |
取得金額(円) | 799,756 |
評価額(円) | 941,967 |
評価益(円) | 142,211 |
損益(円)(%) | 17.78% |
- 投資額:799,756円
- 評価額:941,967円
- 損益:+142,211円/+17.78%
という運用実績です。
株価の戻りは遅いものの、私が購入した時期はコロナショック直後だったこともあり、大きく利益を出すことが出来ています。
ただし、SPYD/VYM/VIGに比べると、株価の戻りは鈍いため、他のETFに比べるとパフォーマンスが悪い状況でもあります。
今後の運用方針
高配当・増配ETFの2021年3月の分配金が発表されましたが、HDVのみ厳しい結果となりました。
そのため、現時点でHDVへの投資方針は、
- 長期保有は続ける
- ただし新規買付は行わない
- 暴落が来た場合も、他ETFに優先的に買い付けを行う
と考えています。
やはり、今回のコロナショックでHDVの弱さが見える形となりました。
- 景気敏感セクターが多く株価の下落率が大きい
- 株価の戻りも鈍い
- 分配金も安定しない
もちろん、10年近い実績と過去の増配傾向からも、長期保有する方針に変わりはありません。
しかし、他のETFと比べて特徴がないことも事実です。
- 安定感重視:VYM
- 増配重視:VYM/VIG
- 分配利回り重視:SPYD
HDVは全て兼ね備えているものの、どれも中途半端な感じとも言えます。
そのため、市場が暴落して買い場が来た場合でも、他のETFを優先的に買う気持ちで今はいます。
なお、ETFの買付タイミング、定期購入をおすすめしない理由は下記の記事を参照してください。
まとめ:HDVはまさかの減配・・・。コロナショックで弱点が露呈
ここまでHDVの2021年3月分配金速報と、基本情報、私の運用実績をまとめてきました。
- 2021年3月の分配金は対前年比で-3.53%の減配
- SPYD/VYM/VIGは大幅増配だったこともあり、HDVのみが減配という結果となった
- HDVは月ごとの分配金の傾向があまりない。
- ただし、3月が対前年比マイナスの年は、全ての月でマイナスとなった年があった
- HDVは景気敏感の「エネルギー」「金融」が30%を占めている。
- 銘柄別に見ても、「エネルギー」「金融」の株が上位を占めている。
- そのため、コロナショック時の下落率が大きく、株価の戻りも鈍い傾向にある。
- 結果として、分配金もマイナスとなってしまった。
- ただし、分配金は過去10年で1.5倍と安定した成長をしており、優秀なETFに変わりはない
- 私の運用実績は「+18%」と大きな評価益を作ることが出来ている
- ただし、他ETFと比べるとパフォーマンスは一番低い
- 今回のコロナショックによってHDVの弱点が見えてきた
- そのため、今後の追加買い増しの優先度は他ETFに比べて低い状況
過去10年近く安定的に成長してきたHDVですが、今回のコロナショックによって弱点も見えてきました。
- 景気敏感セクターが多く株価の下落率が大きい
- 株価の戻りも鈍い
- 分配金も安定しない
もちろん、10年近い実績と過去の増配傾向からも、優秀なETFであることに変わりはありません。
しかし、現在の株価の軟調、分配金のマイナスを受け、さらに株価回復が遅れることが想定されます。
平時においては抜群の安定感を誇るHDVだけに、早くコロナ影響が払拭されることを願っています。
今回の分配金の発表を受け、高配当・増配ETFの4種を比較する記事も執筆したいと思います。
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