こんな方に向けた記事です。
財務健全で、高収益企業としても有名な「6541 グレイステクノロジー」の株価が急落しています。
4/14、4/15の2日間で株価は20%近い下落をしており、気になっている方も多いと思います。

凄い優良企業なのに、なんでこんなに株価が下落しているんだろう?
本記事では「グレイステクノロジーの株価急落要因と今後の展望」について解説をしていきます。
- 「6541 グレイステクノロジー」の企業概要
- なぜ株価が急落しているのか?
- グレイステクノロジー経営状態と今後の展望
「6541 グレイステクノロジー」の企業概要と特徴
まずは簡単にグレイステクノロジーの企業概要と特徴を解説していきます。
グレイステクノロジーの企業概要
グレイステクノロジーは「産業機械のマニュアル作成」という非常にニッチな事業を行っています。
1984年の創業以来、国内初の「マニュアル制作専門会社」として、事業成長を行ってきました。
- グレイスビジョン:AIが全て導いてくれるマニュアル。搭載されたマイク・カメラで作業者に指示・誘導。
- マニュアル・コンサルティング:現状分析〜マニュアル作成・管理体制の構築。
- e-manual:クラウド上に全てのマニュアルを総合管理。
- テクニカルライティング:専門的技術理解力を用いた、マニュアル作成サービス。
- 技術翻訳
- 動画マニュアル
- 制作費建て替えサービス
- マニュアル発注・管理代行
グレイステクノロジーの特徴
グレイステクノロジーの特徴は「事業基盤の安定性・成長性」にあります。
ニッチな専門企業として培ったノウハウを活かし、
- 非常に高い利益率
- 強固な財務基盤
- 事業優位性
が同社の強みです。
経営指標を見ても、その実力は明らかで・・・
- 6年連続売上高成長
- 営業利益率50%超
- ROEは約30%
- 自己資本比率は80%超
どの数字を見ても驚異的な数字が並んでいます。
まさに「成長性」「安定性」を兼ね備えた、非の打ち所がない企業です。
グレイステクノロジーの株価が急落した原因
それでは、次に「なぜグレイステクノロジーの株価が急落したのか?」について解説をしていきます。
こんなにすごい企業なのになんで株価が急落したんだろう?
まさか、コロナで事業成長が止まったとか?
それとも、不正会計とかまずいことでもあったのかな?
実は「4/14に発表されたIR」が株価急落の要因となっています。
株価急落の要因は創業者の逝去
じつは株価急落は「代表取締役で創業者の村松幸治さんの逝去」が要因となっています。
参考情報:代表取締役会長の逝去に関するお知らせ
でも、なぜ会長の逝去によって株価がここまで下がるのでしょうか?
その原因は以下の2点だと考えられます。
- 創業者のカリスマ性がなくなることによる成長鈍化
- 創業者の持ち株が市場に流れて希薄化してしまう懸念
要因①:創業者のカリスマ性がなくなってしまう
今回逝去された「松村幸治さん」は、グレイステクノロジーを創業した「創業者」です。


グレイステクノロジーは創業者が大株主となって、会長も努めていた「オーナー企業」です。
「オーナー企業」の特徴としては、
- 経営の意思決定が非常に早い
- カリスマ性があり、リーダーシップが非常に強い
- 創業者ならではのアイデア・サービスが経営に大きな影響を与える
と経営に大きな影響を与えます。
このような創業オーナー社長が逝去してしまったことにより
と株式を保有している人の中で様々な不安が生まれていると思います。
結果として、株式が売られ株価が下落している状況と言えます。
要因②:創業者の持ち株が市場に流れ希薄化してしまう
2つ目の要因は「創業者の持ち株が市場に流れてしまう懸念」です。

亡くなった会長が保有していた約140万株の行方が気にされています。
株式の所有者が亡くなった場合
- 相続した人に受け継がれる
- 市場に流れ出る
ことが一般的です。
もし140万株(全体の約10%)もの株価が市場に流れ出た場合、保有している株が大きく希薄化することになります。
そのため、今後の株価下落を懸念して、売りが多く発生し株価が急落している状況と言えます。
グレイステクノロジーの今後の展望
じゃあやっぱりグレイステクノロジーの今後も危ないのかな・・・。
ここからはグレイステクノロジーの今後の展望について私の考えをまとめていきます。
私は今回の下落は「むしろ買い場」と考え、新しくグレイステクノロジーの株を購入しています。
創業者の逝去が事業にどこまで影響するのかは未知数でわかりません。
しかし、私は「グレイステクノロジーの強みは変わらない」と考えています。
- ニッチな専門企業で市場優位性がある
- 非常に高い利益率
- 安定した財務基盤
- 連続的な事業成長
これらの強みは創業者が亡くなっても継続できると考えています。
そのため「今回の急落はむしろ買い場」と判断し購入を決意しました。
そこで、グレイステクノロジーの経営状態・財務状況について詳しく見ていきましょう。
グレイステクノロジーの経営状態
グレイステクノロジーは2015年以降、6年連続売上高成長を記録しています。
2021年のコロナ禍においても
- 売上高:31.4%増加
- 営業利益:4.9%増加
と成長を維持する予想です。
営業利益率は50%→40%と下落する予想ですが、それでも驚異的な数字であり懸念はありません。
創業社長が亡くなっても、会社に溜まったノウハウ・技術がなくなるわけではありません。
グレイステクノロジーの高い収益性はこれらを示しており、創業社長が亡くなっても事業運営に影響はないと考えています。
グレイステクノロジーの配当金推移
グレイステクノロジーは成長企業ではありますが、配当金も近年毎年増配を続けています。
2017年以降、4.17円→15円と3年間で3.6倍に増配をしています。
2021年の配当金予想は開示されていませんが、EPSの高い伸びを見る限り確実に増配をしてくると考えています。
配当性向は30%程度と過熱感はないことから、
- 利益を事業成長に回しつつ
- 株主還元もしっかりと行う
という経営方針が魅力的です。
グレイステクノロジーの財務状況
グレイステクノロジーの自己資本比率は毎年を改善を続けています。
2020年は自己資本比率80%の「驚異的な財務基盤」を誇る企業です。
営業CFも毎年黒字を続けており、黒字額右肩上がりで増加している傾向が見えます。
グレイステクノロジーの株価推移

日足チャートで見ると、創業者逝去のIRが発表された4月14日に一気に株価が急落していることがわかります。
4月14日の高値3,425円→4月15日の安値2,721円まで、2日間で20%も株価が下落しています。
ただしこれだけ株価が急落しても
- PER:93.8倍
- PBR:27.28倍
と決して割安なわけではありません。
私個人の保有方針としては
を魅力に感じているため基本的には中長期のホールドを考えています。
しかし上記経営状態が少しでも悪くなるのであれば、投資シナリオが変わってしまうため、損が出ていても売却をしようと考えています。
まとめ:創業者の逝去が事業にどこまで影響するかは未知数
ここまで「6541グレイステクノロジー」の株価急落の要因と、私なりの今後の展望をまとめてきました。
- グレイステクノロジーは「マニュアル制作専門」のニッチな企業
- 高い収益性と安定した財務基盤が特徴的
- しかし4月14日に「創業者逝去」の報道が出たことで株価が急落
- 2日間で一気に20%も株価が急落している
- 要因としては「創業者のカリスマ性が失われる懸念」と「持ち株が市場に放出され希薄化する懸念」
- しかし私個人としては「今回の下落は一時的」と考えている
- ここまでの高い利益率の要因は「製品・サービスの強み」「ニッチな市場で事業優位性がある」
- 創業者が亡くなったとしても「製品・サービス」「ノウハウ」は無くならない
- これまでの「事業成長」「株主還元姿勢」「財務基盤」からも今後の成長が期待できる
私はグレイステクノロジーの「事業内容」「成長性」に魅力を感じています。
今回の株価急落は一時的であり、経営への影響はないと判断し、購入を決意しました。
今後もグレイステクノロジーを経営状態については追っかけ、記事にしていきたいと思います。
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