こんな方に向けた記事です。
米国高配当ETFの2021年6月分配金が発表される時期となりました。
先行して発表されているHDVとSPYDの2021年6月の分配金は、
と明暗がはっきりと分かれる展開となりました。
VYMは高配当ETFの中でも一番安定しているし、3月も増配しているから6月も増配でしょ?
と私も考えていました。
しかし結果はまさかの「減配」でした。
優等生のVYMに一体何があったの・・・
ということで、本記事では「VYMの2021年6月分配金」と「運用実績」について取り上げていきます。
それでは詳しい内容を見ていきましょう。
VYMの2021年6月分配金速報と分配金の推移
まずは2021年6月に公開された、3月の分配金を見ていきましょう。
VYMの2021年6月分配金速報
VYM | 6月 |
---|---|
2009年 | 0.28 |
2010年 | 0.273 |
2011年 | 0.335 |
2012年 | 0.37 |
2013年 | 0.419 |
2014年 | 0.476 |
2015年 | 0.56 |
2016年 | 0.578 |
2017年 | 0.596 |
2018年 | 0.6302 |
2019年 | 0.6247 |
2020年 | 0.8368 |
2021年 | 0.7523 |
-10.10% |
2021年6月の分配金は
と「まさかの減配」でした。
2021年3月期は「18.40%の大幅増配」だったため、
また、VYMの6月期の分配金を見てみると「減配」は珍しいことではなく
と今回が3度目の減配となります。
減配幅は大きいですが、2020年の伸びが大きすぎたことが要因ですね。。。
VYMの月別分配金推移
VYMの月別の推移を見ていきましょう。
VYM | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
2009年 | 0.31 | 0.28 | 0.257 | 0.321 |
2010年 | 0.229 | 0.273 | 0.276 | 0.313 |
2011年 | 0.31 | 0.335 | 0.307 | 0.375 |
2012年 | 0.328 | 0.37 | 0.403 | 0.492 |
2013年 | 0.361 | 0.419 | 0.437 | 0.532 |
2014年 | 0.401 | 0.476 | 0.469 | 0.562 |
2015年 | 0.462 | 0.56 | 0.528 | 0.599 |
2016年 | 0.478 | 0.578 | 0.483 | 0.667 |
2017年 | 0.56 | 0.596 | 0.602 | 0.6431 |
2018年 | 0.6084 | 0.6302 | 0.6718 | 0.7388 |
2019年 | 0.6516 | 0.6247 | 0.7864 | 0.7791 |
2020年 | 0.5544 | 0.8368 | 0.7053 | 0.8096 |
2021年 | 0.6564 | 0.7523 |
グラフで見ても2020年6月期が飛び抜けて増配率が高いことがわかりますね。
VYMは10年以上の運用歴があるため、分配金の推移もグラフで見ると非常にわかりやすいです。
- 時折、対前年比マイナスの月もあるが、基本的には右肩上がり
- 12月が一番分配金が多い傾向
- 3月が一番分配金が少ない傾向
基本的には右肩上がりの推移を続ける「非常に優秀なETF」であることがわかります。
VYMの月別増配率
3月 | 6月 | 9月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|
2010年 | -26.13% | -2.50% | 7.39% | -2.49% |
2011年 | 35.37% | 22.71% | 11.23% | 19.81% |
2012年 | 5.81% | 10.45% | 31.27% | 31.20% |
2013年 | 10.06% | 13.24% | 8.44% | 8.13% |
2014年 | 11.08% | 13.60% | 7.32% | 5.64% |
2015年 | 15.21% | 17.65% | 12.58% | 6.58% |
2016年 | 3.46% | 3.21% | -8.52% | 11.35% |
2017年 | 17.15% | 3.11% | 24.64% | -3.58% |
2018年 | 8.64% | 5.74% | 11.59% | 14.88% |
2019年 | 7.10% | -0.87% | 17.06% | 5.45% |
2020年 | -14.92% | 33.95% | -10.31% | 3.91% |
2021年 | 18.40% | -10.10% |
VYMは2009年から運営しており、2010年〜2021年までの対前年比を分析してみると
となります。
今回の減配は珍しいわけではなく、2020年6月の増配幅が大きすぎた反動でしょうね・・・。
VYMの年別分配金推移
続いて、年別の分配金推移を見てみましょう。
VYM | 前年比 | 合計 |
---|---|---|
2009年 | – | 1.168 |
2010年 | -6.59% | 1.091 |
2011年 | 21.63% | 1.327 |
2012年 | 20.05% | 1.593 |
2013年 | 9.79% | 1.749 |
2014年 | 9.09% | 1.908 |
2015年 | 12.63% | 2.149 |
2016年 | 2.65% | 2.206 |
2017年 | 8.84% | 2.4011 |
2018年 | 10.33% | 2.6492 |
2019年 | 7.27% | 2.8418 |
2020年 | 2.26% | 2.9061 |
2021年 | 1.26% | 1.4087 |
2021年6月期は減配となりましたが、3月の増配が大きく、3月・6月の合計は2020年を上回っています。
年単位で見ると、リーマンショックの2010年を除き、2011年以降10年連続増配を続けていることがわかります。
2009年に1.168だった年間分配金は、2020年には2.9061と約2.5倍に成長しています。
増配率を計算してみると・・・
- 1年:2.3%
- 3年:8.8%
- 5年:8.3%
- 10年:9.3%
と、非常に安定的な増配を続けていることがわかります。
2021年6月期は残念ながら減配となりましたが、過去の推移からしても今後の増配は大いに期待できそうです。
VYMの基本情報・セクター別シェア・株価
続いて、VYMの基本情報の振り返りとセクター別のシェアを見ていきましょう。
VYMの基本情報
運営会社 | ヴァンガード |
運用開始 | 2006年11月 |
経費率 | 0.06% |
純資産額 | 4.1兆円(37,796(百万米ドル)) |
分配利回り | 2.83% |
ベンチマーク | FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス |
投資対象 | 配当利回り平均以上の大型株 |
組入銘柄数 | 411銘柄 |
- 配当利回りが平均以上の大型株で構成
- 純資産額がETFの中でもトップレベルに大きい
- 分配利回りは2%台と低く、「高配当」とは言えない水準
VYMのセクター別のシェア
業種 | 組入比率 |
---|---|
金融 | 22.60% |
生活必需品 | 12.80% |
ヘルスケア | 12.10% |
資本財 | 10.00% |
一般消費財 | 8.30% |
VYMの上位3セクターは2月末→5月末で、
- 金融:22.71%→22.60%
- 生活必需品:14.30%→12.80%
- ヘルスケア:13.58%→12.10%
であり、構成比は余り変わっていません。
上位3セクターで約50%を占めており、景気敏感セクターの金融が1位で22%のシェアを占めています。
一方で、生活必需品・ヘルスケアといった不況にも強いセクターが2,3位を占めており、非常にバランスの取れた構成と言えます。
VYMのTOP10銘柄
名称 | 数量 | 値 | ファンドの割合 | 3月順位 |
---|---|---|---|---|
JPM:USJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 8.36 百万 | 1.29 十億 | 3.57 | 1 |
JNJ:USジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) | 7.28 百万 | 1.18 十億 | 3.29 | 2 |
HD:USホーム・デポ | 2.96 百万 | 958.91 百万 | 2.67 | – |
PG:USプロクター・アンド・ギャンブル(P&G) | 6.72 百万 | 896.89 百万 | 2.49 | 3 |
BAC:USバンク・オブ・アメリカ | 21.36 百万 | 865.62 百万 | 2.41 | 4 |
CMCSA:USコムキャスト | 12.51 百万 | 702.43 百万 | 1.95 | 6 |
XOM:USエクソンモービル | 11.67 百万 | 668.02 百万 | 1.86 | 7 |
VZ:USベライゾン・コミュニケーションズ | 11.43 百万 | 660.47 百万 | 1.84 | 8 |
INTC:USインテル | 11.32 百万 | 651.03 百万 | 1.81 | 5 |
T:USAT&T | 19.68 百万 | 618.07 百万 | 1.72 | 9 |
上位10銘柄でポートフォリオの25%を占めています。
414銘柄のうち10社でポートフォリオの1/4を占めている形となります。
3月時点と比較すると
となります。
セクター別シェアと同様、金融、生活必需品、ヘルスケア、情報技術の会社が上位10社の殆どを占めています。
VYMの株価

こちらはVYMの5年チャートとなります。
コロナショック時は30%程度株価は下落しましたが、
と不況に強い優秀なETFですね。
2021年3月末時点では101ドルで現在は102.67ドルのため、株価は上昇しているものの一時期よりも勢いは衰えていますね。
長期間右肩上がりの株価成長を続け、分配金も10年連続増配を続けている「正真正銘の優良ETF」ということが出来ます。
私の運用実績と今後の運用方針
最後に私のVYMの運用実績と今後の運用方針について取り上げていきます。
私の運用実績
保有数量 | 98.00 |
取得単価(ドル) | 78.55 |
取得単価(円) | 8,425 |
評価損益(ドル) | 2,363.76 |
評価損益(円) | 283,446 |
損益(ドル)(%) | 30.71% |
損益(円)(%) | 34.33% |
- 投資額 = 保有数量98×取得単価8,425 = 825,650円
- 評価額 = 保有数量98×現在株価11,317 = 1,109,096円
- 評価損益 = +283,336円
- 評価損益(%) = +34.33%
という運用実績です。
投資金額はSPYDと比べると、80万円ほどと少なめですが、評価額は100万円の大台を突破してくれています。
今後の運用方針
3月期と投資方針は変わらず、VYMは「長期保有」「VIX指数を見て購入判断」としています。
私が高配当投資に求めるものは「利回り」ですので、高配当ETFのメインは「SPYD」です。
そのため、VYMは「リスク分散目的」で保有をしています。
実際、分配金利回りは2%程度と「高配当」とは言えない水準ですが、
と「安定成長」が期待できるETFであり、他の高配当ETFの弱点を補う相性の良いETFです。
次の買い時はいつ来るかはわかりませんが、買い時の指標の一つである「VIX指数」をもとに、投資判断をしていきたいと考えています。
なお、米国高配当ETFの購入タイミングなどをまとめた記事がありますので、併せてご覧ください。
まとめ:VYMは減配も優秀なETFであることに変わりない
ここまでVYMの2021年6月分配金速報と、基本情報、私の運用実績をまとめてきました。
- 2021年6月の分配金は対前年比で-10.10%の減配
- 2021年3月は大幅増配だったため、3月・6月の合算では2020年比増配
- 2021年3月期と比べてセクター比・銘柄構成に大きな変化はない
- 株価は3月と比べて上昇しているが、微増で一時期の勢いはなく安定
- 私の運用実績も「+30%」と大きな評価益を作ることが出来ている
- 分配利回りは2%程度と少ないが、「安定した株価成長」「連続増配」が魅力
- 今後も株価が下落したタイミングで購入をしていく
VYMは米国高配当ETFの中でも
と「一番安心して保有できるETF」であると考えています。
今回は惜しくも減配となってしまいましたが、VYMへの信頼感は変わりません。
分配利回りは一番低いですが、VYMを保有している安心感があるからこそ、他の銘柄でリスクが取れると感じます。
今後は、下落時に狙って購入できるよう、相場環境はウォッチを続けていきます。
今後もVYMの増配は安定して期待できるため、分配金速報として本ブログでも取り上げていきます。
【米国高配当ETF】
- 徹底比較!HDV/SPYD/VYM/VIGの特徴を解説!
- HDVはまさかの減配!2021年3月の分配金は-3.53%!
- VIGの2021年3月の分配金+8.25%の安定増配!
- VYMの2021年3月の分配金+18.4%の安定増配!
- SPYDの2021年3月分配金60.57%の大幅増配!
- コロナショックから1年!米国高配当ETFの暴騰でパフォーマンスはどうなった?
【日本高配当投資】
- 2021年7月高配当利回りランキング
- 2021年6月高配当利回りランキング
- 2021年5月高配当利回りランキング
- 2021年4月高配当利回りランキング
- 2021年3月高配当利回りランキング
- 2021年2月高配当利回りランキング
- ウォッチ推奨!下がったら買いたい優良高配当銘柄
- 【保存版】おすすめ優良高配当銘柄
- 【ポートフォリオ公開】保有銘柄の2021年の配当予想をまとめてみた!
- 2021年連続増配企業ランキング
【投資戦略】
- 米国高配当ETFの買い時を解説!
- 米国高配当ETFの定期買付はNG!
- 配当金再投資はするべき?配当金の使い道!
- 「株は5月に売れ!」は正しい?株の売りタイミング!
- 日本の高配当ETFをオススメしない3つの理由
- 配当金生活には1,000万円だけあれば良い!増配率を加味した配当金シミュレーション【米国高配当ETF】
- 米国高配当ETFで月3万円の配当生活!必要な資金をパターン別に紹介!おすすめポートフォリオは?
【自作ツール】
【受取配当金】
Youtubeでも発信をしていますので、興味のある方はチャンネル登録・高評価をお願いします!