- 連続増配している企業を知りたい
- ただ増配しているだけでなく、増配率が高い企業を知りたい
- 長期的に業績が成長している企業を知りたい
こんな欲張りな願いを持った方に向けた記事です。
配当金目的で投資をしている人にとって「連続増配年数」も重要ですが、「増配率」を気にしている人も多いと思います。
そこで本記事では「10年平均増配率」に着目し、おすすめ銘柄を厳選して5銘柄ご紹介します。
本記事の抽出対象
- 10年連続増配(2010年〜2020年)
- 10年平均増配率が20%以上
- 業績に懸念がなく安定成長している企業
- 2021年2月17日時点の情報となります
そもそも「10年平均増配率が20%」ってどれくらいすごいの?
本題に入る前に、まずは「増配率」と「増配の威力」について簡単に説明をしておきます。
増配率・○年平均増配率とは?
まず初めに「増配率」「○年平均増配率」について解説します。
増配率とは、前年と比べて何%配当金が増えたかを表す指標です。
例えば、配当金が100円⇨120円に増配した場合、増配率は20%となります。
では、さらに120円⇨144円に増配した場合?
これも増配率は20%となります。
さらに本記事でも取り上げる「平均増配率」について解説します。
100円から2年間で144円に増配した場合、「2年間の平均増配率」は20%となります。
100円×1.2×1.2=144円
10年平均増配率20%はどれくらいすごいの?
こちらのグラフが、10年間20%ずつ成長した場合のグラフです。
初年度を1とした場合、10年後には6.19と約6倍に成長しています。
「平均20%」と聞くと、少し物足りなさを感じますが、10年平均で考えると6倍以上の成長ということになります。
つまり、本記事では「10年間で配当金が6倍以上に増えた銘柄」と言い換えることもできます。
10年連続増配&平均増配率20%以上のおすすめ銘柄5選
10年以上連続増配を続けており、かつ10年間の平均増配率20%を超えるおすすめ企業は、この5社です。
コード | 銘柄名 | 市場 | 業種 | 10年平均増配率 | 売上高10年平均成長率 | 営業利益10年平均成長率 |
7818 | トランザクション | 東証一部 | その他製品 | 33.51% | 9.46% | 21.74% |
3769 | GMOペイメントゲートウェイ | 東証一部 | 情報・通信業 | 33.28% | 26.51% | 24.41% |
3837 | アドソル日進 | 東証一部 | 情報・通信業 | 29.95% | 7.29% | 35.04% |
2371 | カカクコム | 東証一部 | サービス業 | 29.57% | 17.99% | 17.43% |
2127 | 日本M&Aセンター | 東証一部 | サービス業 | 28.73% | 24.23% | 26.43% |
当然ではありますが、「売上高」「営業利益」ともに高い成長率を誇っています。
それでは個別の企業ごとに分析をしていきます。
7818 トランザクション
トランザクションは、デザイン雑貨の企画・製造・販売を行なっている会社です。
顧客の要望に合わせたデザイン性の高い雑貨を扱う「カスタムメイド雑貨事業」
自社で企画・製造・販売を行う「オリジナル雑貨事業」
の大きく2事業から成り立っています。
基本情報
コード | 7818 |
企業名 | トランザクション |
市場 | 市場第一部(内国株) |
業種 | その他製品 |
連続増配年数 | 10 |
連続非減配年数 | 10 |
5年平均増配率 | 32% |
5年平均売上成長率 | 12% |
5年平均営業利益成長率 | 39% |
10年平均増配率 | 34% |
10年平均売上成長率 | 9% |
10年平均営業利益成長率 | 22% |
PER | 19.9倍 |
PBR | 3.41倍 |
利回り | 1.64% |
業績の推移
毎年着実に成長していることがわかります。
特に営業利益率の改善が特徴的で
- 2010年⇨5.24%
- 2020年⇨15.17%
と高収益企業と変貌を遂げています。
10年間で業績は
- 売上:2.37倍
- 営業利益:7.3倍
と大幅な成長をしています。
配当の推移
2015年は営業利益がマイナス成長だったにも関わらず、増配を行なっている関係で、配当性向も約50%に達しました。
マイナス成長でも連続増配を続けたことからも「強い株主還元姿勢」が読み取れます。
10年平均増配率は34%で、「10年間で配当18倍」と驚異的な成長を見せています。
しかし、配当性向は30%台と過熱感はなく、「事業成長」「株主還元」を両立できる体制と言えます。
3769 GMOペイメントゲートウェイ
GMOペイメントゲートウェイは、GMO系のカード決済会社です。
ECサイトや電子決済、決済手続きの多様化に合わせて事業を拡大させてきています。
基本情報
コード | 3769 |
企業名 | GMOペイメントゲートウェイ |
市場 | 市場第一部(内国株) |
業種 | 情報・通信業 |
連続増配年数 | 10 |
連続非減配年数 | 10 |
5年平均増配率 | 42% |
5年平均売上成長率 | 30% |
5年平均営業利益成長率 | 28% |
10年平均増配率 | 33% |
10年平均売上成長率 | 27% |
10年平均営業利益成長率 | 24% |
PER | 146倍 |
PBR | 38.77倍 |
配当利回り | 0.34倍 |
業績の推移
非常に綺麗な右肩上がりのグラフです。
2017年は営業利益率が一時的に落ち込んでいますが、それでも前年対比の営業利益はプラスです。
営業利益率は驚異の30%超えと、非常に事業優位性のある会社です。
10年間で見ると
- 売上:10.92倍
- 営業利益:8.59倍
非常に高い成長を遂げています。
決済の電子化・多様化のニーズをしっかりと捉えて成長していることがわかります。
配当の推移
2016年までは配当性向を35%程度に維持していましたが、最近は配当性向を50%にまで引き上げています。
非常に高収益で事業優位性もあるため、新規投資ではなく「株主還元姿勢をさらに強める」方針であることがわかりますね。
10年間で配当は17倍以上に成長しており、グラフには現れていませんが、15年連続増配中でもあります。
今後の増配継続も期待できますね。
3837 アドソル日進
アドソル日進は、電力分野に強みを持つ独立形のシステム開発会社です。
電気やガスの社会インフラ分野で培ったノウハウを他分野にも応用し、最近ではIoTやセキュリティ分野にも注力しています。
基本情報
コード | 3837 |
企業名 | アドソル日進 |
市場 | 市場第一部(内国株) |
業種 | 情報・通信業 |
連続増配年数 | 10 |
連続非減配年数 | 10 |
5年平均増配率 | 27% |
5年平均売上成長率 | 8% |
5年平均営業利益成長率 | 24% |
10年平均増配率 | 30% |
10年平均売上成長率 | 7% |
10年平均営業利益成長率 | 35% |
PER | 31.8倍 |
PBR | 5.23倍 |
配当利回り | 1.16倍 |
業績の推移
売上高の成長は2018年に一時的にマイナス成長となりましたが、基本的にはずっと右肩上がりの成長を続けています。
さらに、営業利益率を年々改善させてきており、10%近い営業利益率を出せる企業に成長を遂げています。
この10年間で
- 売上:1.91倍
- 営業利益:20.11倍
と大きく利益の出る企業へと変貌を遂げています。
配当の推移
連続増配こそしていませんが、配当も長期的に右肩上がりの推移を示しています。
配当性向は35%台と安定しており、利益が上がればしっかりと増配する姿勢が見て取れます。
配当金は10年間で13倍と大きな成長を遂げており、今後の事業成長に合わせて更なる増配が期待できます。
2371 カカクコム
カカクコムは「価格コム.com」という価格比較サイトを運営している会社です。
他にも「食べログ」などのサイトを保有しており、ネット予約の浸透に合わせて業績を成長させている企業です。
基本情報
コード | 2371 |
企業名 | カカクコム |
市場 | 市場第一部(内国株) |
業種 | サービス業 |
連続増配年数 | 10 |
連続非減配年数 | 10 |
5年平均増配率 | 20% |
5年平均売上成長率 | 11% |
5年平均営業利益成長率 | 10% |
10年平均増配率 | 30% |
10年平均売上成長率 | 18% |
10年平均営業利益成長率 | 17% |
PER | – |
PBR | 17.06倍 |
配当利回り | 1.1% |
業績の推移
綺麗すぎて非の打ち所がないグラフです。
業績成長も当然ですが、営業利益率は50%と驚異的な数字です。
これほど利益率が高い企業は、日本にも少なく、間違いなく「日本最上位の高収益企業」と言えるでしょう。
10年間で売上・営業利益ともに約5倍の成長を遂げています。
配当の推移
業績の成長に合わせて、配当も年々増配を続けています。
特徴的なのは「配当性向」も併せて伸ばしている点です。
事業優位性を一定築けているため、事業投資ではなく、株主還元にシフトしている姿勢が見て取れます。
配当金は10年間で13倍と大きく成長。
今後も業績の成長に合わせて、しっかりと増配してくれそうです。
2127 日本M&Aセンター
日本M&Aセンターは、その名の通り企業買収・M&Aをサポートする会社です。
地銀などと連携し、後継者問題に悩んでいる企業と、事業買収して業績を拡大したい企業のマッチングなどを手がけています。
基本情報
コード | 2127 |
企業名 | 日本M&Aセンター |
市場 | 市場第一部(内国株) |
業種 | サービス業 |
連続増配年数 | 10 |
連続非減配年数 | 10 |
5年平均増配率 | 24% |
5年平均売上成長率 | 21% |
5年平均営業利益成長率 | 18% |
10年平均増配率 | 29% |
10年平均売上成長率 | 24% |
10年平均営業利益成長率 | 26% |
PER | 100倍 |
PBR | 24.15倍 |
配当利回り | 0.41倍 |
業績の推移
10年以上連続して増収増益を続けている、業績が安定して成長している企業です。
営業利益率も非常に高く、50%に迫る勢いです。
10年間で、売上は8倍、営業利益は10倍と高い成長性を誇っています。
配当の推移
業績の伸びに合わせて、配当もしっかりと増配と続けています。
配当性向も40%台をずっと続けており、高い株主還元姿勢が伺えます。
今後の業績拡大とともに、しっかりと増配を続けてくれることでしょう。
10年連続増配&平均増配率20%以上の5銘柄まとめ
ここまで、10年連続増配&平均増配率20%以上の銘柄を5つ紹介してきました。
コード | 銘柄名 | 市場 | 業種 | 10年平均増配率 | 売上高10年平均成長率 | 営業利益10年平均成長率 |
7818 | トランザクション | 東証一部 | その他製品 | 33.51% | 9.46% | 21.74% |
3769 | GMOペイメントゲートウェイ | 東証一部 | 情報・通信業 | 33.28% | 26.51% | 24.41% |
3837 | アドソル日進 | 東証一部 | 情報・通信業 | 29.95% | 7.29% | 35.04% |
2371 | カカクコム | 東証一部 | サービス業 | 29.57% | 17.99% | 17.43% |
2127 | 日本M&Aセンター | 東証一部 | サービス業 | 28.73% | 24.23% | 26.43% |
10年間連続して高い増配率を誇っている企業の特徴としては
- 業績も安定的に成長している
- 利益率が高い・改善している
と、しっかりと事業成長していることがわかります。
このような銘柄を保有し続けることができれば
- 業績成長に合わせて株価成長
- 毎年20%以上の増配
と「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」の両取りを狙えます。
このような銘柄を今後も発掘し、ブログを通して共有していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
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