- 優良高配当株のおすすめが知りたい方
- [3244 サムティ]が気になっているが、他の人の分析結果も知りたい方
- 優良高配当株の分析の仕方を知りたい方
こんな人に向けた記事です。
簿記2級を取得しており、企業の財務分析も出来ます。
このブログでは、私なりの基準で選んだ優良な高配当銘柄を発信しています。
- 「3244 サムティ」の基本情報がわかります
- 「3244 サムティ」が優良な高配当銘柄か?の判断基準がわかります。
- 優良な高配当銘柄の探し方がわかります
3244 サムティは優良高配当株か?
3244 サムティ | 点数 5点満点 | コメント |
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売上高 | 4 | 2014年以降は堅調な右肩上がりのトレンド |
EPS | 4 | 浮き沈みは若干あるが、基本的には右肩上がり |
営業利益率 | 4 | 営業利益率15~17%と高利益体質。 |
自己資本比率 | 2 | 20~30%台と高いとは言えない |
営業活動によるCF | 2 | マイナスの年も数回あり、安定しているとは言えない |
現金等 | 4 | 400億円以上の現金を保有。近年は増加傾向。 |
一株当たり配当金 | 5 | きれいな右肩上がりの増配トレンド。10年で9倍近い増配。 |
配当性向 | 4 | 増配傾向にありながら、配当性向は30~40%台とまだまだ余力がある。 |
配当利回り | 4 | 直近の配当利回りは約5%と高利回り |
将来性 | 3 | 企業体質は優秀だが、不動産業界のコロナ影響が未知数。 |
合計 | 36 | 経営体制は非常に優秀。ただし不動産業界のコロナ影響が未知数。 |
合計36点です。(50点満点中)
株主還元の意向も強く、10年間で配当は9倍になっています。
経営体制も非常に優秀で、過去10年間は安定性・成長性を兼ね備えた企業でした。
しかし、不動産業界でありコロナ影響が身数です。
経営ノウハウにかけて、業績が回復基調になる前に仕込んでおけば、キャピタルゲインも得られる可能性があります。
それでは、詳細について細かく分析していきます。
基本情報
サムティ株式会社は、総合不動産会社として、
- 収益不動産の企画開発・再生・販売等の「不動産事業」
- マンション・オフィスビルの賃貸を行う「不動産賃貸事業」
- ホテル経営等を行う「その他事業」
を行っている会社です。
収益の柱は「不動産事業」で全体の80%以上の売り上げ・利益を占めています。
- 東証一部上場企業
- 配当利回りランキングは35位(東証一部上場)(2021/1/25時点)
- 配当利回り5.02%の高配当銘柄
- 時価総額676億円
売上高
売上高は2014年以降きれいな右肩上がりのトレンドです。
- 2010年~2012年のリーマンショック・東日本大震災の時期に減収
- 2014年以降はきれいな上昇トレンド
- 2014年以降は、ほぼ毎年二ケタ増収
- 2014年から約4倍に成長している
ただし、コロナ禍の影響により、2021年度の決算は下方修正されています。
黒字は維持するものの、売り上げは20%近い減収を見込んでいるようです。
EPS
EPS(一株当たり当期純利益)も売り上げと同様に堅調です。
- 低迷期の2011年と比べると、2020年は約4倍
- 浮き沈みは若干あるものの、基本的には右肩上がりのトレンド
- 2021年は減益が予想されているため、自己株式取得しない限りは下落予想
EPSも堅調な右肩上がりのトレンドでしたが、コロナの影響によりトレンドは一度止まりそうです。
営業利益率
営業利益率も安定感があります。
- 安定して15~20%で推移
- 低迷期でも10%程度の利益率を維持
コロナの影響により、2021年度は下落が予想されますが、会社資料から計算すると、
- 楽観値で11,800 ÷ 76,000 = 15.5%
- 悲観値で8100 ÷ 92,200 = 8.7%
おそらく、10~13%と二桁の営業利益は確保するのではないでしょうか。
自己資本比率
自己資本比率は、少し低めです。
高配当株としては40%以上あってほしいところですが、20~30%台です。
類似企業との比較でも、自己資本比率は低めです。
営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるCFは、安定感がありません。
利益剰余金は堅調に積みあがっているものの、営業CFが安定しないのは少しマイナス要素です。
現金
現金もしっかりと確保できています。
不動産事業である以上、大きなお金が必要であり、資金調達は必須です。
サムティの場合は、長期借入金での調達が多く、すぐに返還を求められるようなことはなさそうです。
配当金推移
配当金は長期で増配傾向にあり、高配当銘柄としては非常に嬉しい限りです。
2010年と比べて9倍にも配当金が成長しているため、今後の増配も期待できそうですね。
配当性向
配当性向についても問題ありません。
- 事業運営がうまくいっており、利益がしっかりと出せている。
- 利益を株主還元しており、長期で増配傾向
- ただし、配当性向は40%程度と無理をしていない
という、非常にバランスの取れた財務体質です。
配当利回り
配当利回りは、2~4%台と少し波があります。
配当は毎年増配しているため、これは株価が影響しています。
増配の影響もあり、株価も10年で右肩上がりのトレンドです。
最近は、コロナの影響で不動産業界は大きなダメージを受けているため、株価もまだ回復していません。
将来性
コロナの影響がどの程度長引くかがカギだと考えています。
過去のトレンドを見ても、企業自体の収益力・成長性は非常に優秀です。
また、コロナ禍においても減収予想ではあるものの、しっかりと二桁営業利益を出せる体質になっています。
- コロナの影響が、あとどれくらい長引くのか?
- コロナの影響が落ち着いてからも、不動産需要は戻るのか?
- 日本の不動産は長期的に見れば、価値は低減する(人口減少のため)
- 海外事業等で生き残っていけるかがカギ
3244 サムティは企業経営が優秀な高配当銘柄。ただしコロナの影響が未知数
ここまで、3244 サムティについて個別銘柄分析をしてきました。
- 売上高は順調な右肩上がり
- EPSも基本右肩上がりの傾向
- 営業利益率も15%以上と高利益体質
- 自己資本比率は低め。
- 営業CFは安定感を欠いている
- ただし、現金・利益剰余金はしっかりと積みあがっている。
- 配当金もきれいな増配傾向
- 配当性向も40%程度と問題なし
- 直近の株価の回復が遅れており、現在の配当利回りは5%と高利回り
- 過去10年間の経営数値は問題なし。
- コロナの影響が未知数
企業経営は非常に優秀で、リーマンショック後は10年間非常に堅調な成長を遂げてきました。
その10年間で培った経営ノウハウにより、コロナ禍でも減収予想ではありますが、二桁利益を確保できるほどの強い経営体制となっています。
不動産業界のコロナ影響はまだまだ未知数ですが、経営状態が回復することを見計らって購入してみてもよいかもしれません。