こんな方に向けた記事です。
「株は5月に売れ!」って投資格言を聞いたことあるけど、本当なのかな?
もしかして「5月」に下落するのであれば、「4月」のうちに売っておいたほうが良いのかな・・・
皆さん「投資格言」って聞いたことありますか?
など、過去の投資家達が経験をもとに株式相場を表した「投資格言」がたくさんあります。
その中でも株の売りタイミングを表した格言として「セルインメイ(株は5月に売れ)」が有名ですね。
本記事では「株は5月に売れ!は正しいのか?」を実際のデータをもとに検証を行っていきます。
- 「セルインメイ」の本当の意味
- 「セルインメイ」は正しいのか?
- 日経平均株価の過去データを用いて、月別の投資データを分析
- 株の売りタイミングを統計的に検証
「セルインメイ(株は5月に売れ)」は正しい!ただし解釈には注意が必要!
まず最初に結論ですが「セルインメイ(株は5月に売れ)」という格言は、実際のデータからも「正しい格言」と言えます。
後述しますが、実際に日経平均株価を過去40年分分析してみても、この格言は有効と言えます。
ただし、この格言の解釈には注意が必要です。
- 「セルインメイ」の正しい解釈とは?
- 実際のデータをもとに「セルインメイ」を検証
- 結局、株は「何月に買って、何月に売るのが良いの?」
を詳細に解説していきます。
「セルインメイ」を正しく理解しよう!
ではまず「セルインメイ」の投資格言を正確に理解できるようにしていきましょう。
「セルインメイ」には続きがある
「セルインメイ」という単語だけが独り歩きしていますが、この格言には続きがあります。
Sell in May and go away, and come on back on St.Leger’s Say
日本語訳:5月に売れ。そしてセントレジャーズ・デイまで戻ってくるな
※セントレジャーズ・デイは9月第2土曜日のこと
が正式な格言となります。
つまり、「株は5月に売って、9月までは戻ってくるな」という格言と言えます。
では株は5月に下落するのか?
「株は5月に売れ」とうことは、株価は5月に下落するのでしょうか?
実は真反対で「株は5月に上昇」する可能性が高いのです。
日経平均の過去37年分のデータを分析したところ、
- 5月は過去37年で4月終値に比べて20回上昇している
- 4月に比べて値段が上がっている可能性は54%
- 4月終値と5月終値を比べての平均上昇率は0.26%
と5月は4月に比べても上昇をしています。
「セルインメイ」の正しい解釈
上記を総合して判断をすると、「セルインメイ」の正しい解釈は
「セルインメイ」の誤った解釈
- 株は5月に売れ!ということは5月は株価が下落する
- 5月に下落するのであれば、前もって4月とかに売ったほうが良いのか・・・
- 5月に売ったら相場には一生戻ってこないのか?
- 5月は相場が上昇する!
- しかし夏場は相場が下落する
- そのため5月に売っておいたほうが良い
- そして秋から相場が回復してくるので、9月に戻ってくるのが良い
となります。
詳細なデータを用いた分析は次の章で行っていきます。
データを用いて「セルインメイ」を検証!
では実際にデータを用いた「セルインメイ」の検証結果を公開していきます。
- 1984年3月以降の37年間の日経平均株価の月次データ(Investing.com様のデータを利用)
- 前月の終値と比較して、当月の終値が上昇しているかどうかで判断
月別の日経平均株価上昇回数
まずは37年間で月別に何回上昇したことがあるのかを検証しました。
※先月終値と比較して、その月の終値が上昇している確率です。
例:4月終値15,000円 5月終値16,000円 →5月の上昇回数に1カウント
月 | 上昇回数 | 上昇確率 |
---|---|---|
1月 | 21 | 56.76% |
2月 | 22 | 59.46% |
3月 | 21 | 55.26% |
4月 | 24 | 63.16% |
5月 | 20 | 54.05% |
6月 | 22 | 59.46% |
7月 | 18 | 48.65% |
8月 | 17 | 45.95% |
9月 | 16 | 43.24% |
10月 | 19 | 51.35% |
11月 | 25 | 67.57% |
12月 | 25 | 67.57% |
総計 | 250 | 56.05% |
全体平均で56%の確率で上昇していますが、5月は54%と平均は下回っています。
- 1位:11月/12月(67.57%)
- 3位:4月(63.16%)
- 4位:2月/6月(59.46%)
- 6位:1月(56.76%)
- 7位:3月(55.26%)
- 8位:5月(54.05%)
- 9位:10月(51.45%)
- 10位:7月(48.65%)
- 11位:8月(45.95%)
- 12位:9月(43.24%)
5月は月別の上昇確率ランキングで見ても8位と冴えない順位です。
しかし上昇確率が50%を上回っているため、5月も上昇をする可能性が高いことを意味しています。
月別の日経平均株価上昇率
続いて、実際の株価の上昇幅を見ていきましょう。
※先月終値と比較して、その月の終値との値幅を計算しています。
例:4月終値15,000円 5月終値16,500円 →5月は10%上昇
月 | 上昇率 |
---|---|
1月 | 0.39% |
2月 | 0.54% |
3月 | 1.09% |
4月 | 1.78% |
5月 | 0.26% |
6月 | -0.14% |
7月 | -0.03% |
8月 | -0.66% |
9月 | -0.87% |
1月0 | -0.14% |
11月 | 1.58% |
12月 | 1.17% |
総計 | 0.42% |
株価の上昇率で見ても、5月は0.26%と全体平均は下回っています。
それでも5月は+0.26%のため、4月よりも株価が上昇する可能性が高いことを意味しています。
実際にグラフにしてみると、「セルインメイ」の格言の正しさが一目瞭然となります。
11月〜5月までは株価が対前月比で上昇していることがわかります。
しかし、上昇トレンドは5月で終わり、6月〜10月までは株価が下落していることがわかります。
まとめ:株の売買タイミングは過去の傾向も意識しよう!
ここまで「セルインメイ」の格言をデータを用いて分析してきました。
- 「セルインメイ」は5月に株価下落するという意味ではなく、5月は株価が上昇する可能性が高い
- ただし6月以降は相場が下落するため、5月に売っておいたほうが良いという格言
- また「セルインメイ」には続きがある。
- 正確には「株は5月に売れ!そして9月2周目まで相場に戻ってくるな!」という格言
- 実際に日経平均株価のデータで分析しても、11月〜5月までは上昇相場
- 一方、6月〜10月までは下落相場の傾向がはっきりと出ている
- そのため「株は5月に売れ!」は正しいが、「9月2周目まで相場に戻ってくるな」はタイミングとして少し早いかもしれない。
相場格言は昔の人の「勘」「経験」がもとにはなっていますが、実際のデータと一致する部分もあり、無視できないと感じました。
株式投資をしていると、
- 株はいつ売ればよいのか?
- 株はいつ頃買うのが良いのか?
- 今後の相場環境はどうなるのか?
株の売買タイミングは非常に難しいですよね。
そんな時に過去のデータを分析してみると「傾向」がはっきり読み取れることを改めて感じました。
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