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徹底比較!HDV/SPYD/VYM/VIGの特徴を解説!勝ち組のETFは?パターン別のオススメも公開!【2021年9月版】

高配当投資をしているけど米国高配当ETFが有名だよね!

SPYD/VYM/HDV/VIGって色々と種類があるけど、どんな違いがあるんだろう?

特徴もわからないし、自分にとっておすすめのETFってどれなんだろう?

3ヶ月に1回分配金も発表されるし、最新情報を追っかけるのが大変・・・。

こんな方に向けた記事です。

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2021年9月の分配金の発表が終わりましたが、

HDVが減配続きで、オワコン化してきている・・・

SPYDは大幅増配で、SPYDホルダーは勝ち組!

と明暗がはっきりと分かれる結果となっていますね。

そこで本記事はSPYD/VYM/HDV/VIGの2021年9月時点の最新情報を反映し、各ETFの特徴を解説していきます。

  • 基本情報
  • セクター別の構成比
  • 分配金の推移と増配率
  • 株価の推移とトータルリターン
  • パターン別おすすめETF

こういった点を、それぞれ比較しながら解説していきます。

直近の分配金情報だけでなく、過去の推移・ETF間で比較をすることによって、

  • 本当にHDVはオワコンなのか?
  • 実際に一番リターンが良いETFはどれなの?
  • 購入するならどのETFがおすすめなの?

が見えてくるので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、比較対象のETFは下記の4つとなります。

  • HDV
  • SPYD
  • VYM
  • VIG

高配当ETFの3つ(HDV/SPYD/VYM)の比較記事は良くありますが、連続増配ETFのVIGも含めています。

  • 高配当投資をしている人の中にはVIGを組み入れている人も多い
  • 「増配」をコンセプトとしており、SPYD/VYM/HDVの増配率の比較対象としやすい

是非それぞれの特徴とオススメETFを見つけてみてください。

まずは米国高配当・増配ETF(HDV/SPYD/VYM/VIG)の基本情報を比較!

まずは各ETFの基本情報を比較して特徴を見ていきます。

こちらが基本情報をまとめた表となります。

2021/9/24時点HDVSPYDVYMVIG
運営会社ブラックロックステート・ストリートヴァンガードヴァンガード
経費率0.08%0.07%0.06%0.06%
設定年月2011年3月2015年10月2006年11月2006年4月
資産総額(10億ドル)7.2084.75338.24862.589
純資産額(円概算)約8,000億円約5,200億円約4兆2,000億円約6兆8,800億円
分配金利回り3.55%5.15%2.83%1.61%
ベンチマークモーニングスター配当フォーカス指数S&P 500高配当指数FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックナスダック米国ディビデンド・アチーバーズ・セレクト指数
投資対象財務健全性と配当利回りの高い企業S&P 500の高配当上位80銘柄配当利回り平均以上の大型株米国の中型・大型株の中で過去10年間連続増配の米国の普通株(REITを除く)への投資
組入銘柄数75銘柄80銘柄412銘柄247銘柄
(分配金利回りは直近4期分の分配金合計から算出)

運営会社についての比較

ETFを選ぶ時は、運営実績のある、信頼のできるファンドを選択する必要があります。

運営会社は世界3大ファンドである

  • HDV:ブラックロック
  • SPYD:ステート・ストリート
  • VYM/VIG:ヴァンガード

が運営しており、世界3大ファンドが運営しておりどれも安心感があります。

結論:運営会社は世界3大ファンドが運営しており、差はほぼない

経費率の比較

投資をする上でリターンも重要ですが、「運用コスト」も超重要です。

米国高配当ETFについては経費率も0.01%程度の差しかなく、ほぼ違いはありません。

  • HDV:0.08%
  • SPYD:0.07%
  • VYM:0.06%
  • VIG:0.06%

経費率について・・・

0.06%ということは、100万円を運用しても年間600円のコストしかかからないことになります。

100万円を運用しても、1日あたり2円〜3円で資産運用をまるごと任せられる、「超優良ETF」といえます。

結論:0.01%の違いはあるが、100万円を運用しても年間コストは100円程度しか違わないため、差はほぼない

設定年月の比較

運用歴には大きな違いが出ています。

設定年月はそのETFの歴史を表しており、

  • 過去のトータルリターンの信頼性
  • 増配率
  • 暴落時の傾向
  • 株価の成長性

を判断する重要な指標となります。

運用歴が長い順に並び替えてみると

  • VIG:2006年4月→運用歴約15年
  • VYM:2006年11月→運用歴約15年
  • HDV:2011年3月→運用歴約10年
  • SPYD:2015年10月→運用歴約6年

VIG、VYMは15年近い運用実績があり、リーマンショックやコロナショックを乗り越え、成長してきたETFであることがわかります。

一方、HDV/SPYDはコロナショックが初めての大きな暴落となりました。

結果的には、今回のコロナショックでETFごとの課題も見えてきました。

  • 株価の下落率の大きさ
  • 株価の戻りの鈍さ
  • 分配金の減配

結果的には全てのETFがコロナショックの下落から復活し、過去最高値を更新していますが、株価の戻りの鈍さは差があり、

  • VIG:5ヶ月で回復
  • VYM:10ヶ月で回復
  • SPYD:1年で回復
  • HDV:1年2ヶ月で回復

という結果でした。

「運用歴の長さ=株価戻りの速さ」という公式が必ずしも成り立つわけではありませんが、ファンドへの信頼感が株価の下支えになってはいそうですね。

分配金利回りの比較

高配当投資をしている人にとって一番の注目ポイントは「分配金利回り」ですよね。

分配金利回りは株価によって日々変動しますが、平常時であれば以下の利回り帯に収まっています。

  • SPYD:4.5%〜5%
  • HDV:3.5%〜4%
  • VYM:2.5%〜3%
  • VIG:1.5%〜2%

※VIGは「連続増配」をコンセプトにしているため「高配当」ではありません。

ただし、「分配金利回りが高い=良いETF」というわけではありません。

利回りが高い=リスクが高い

とも言えます。

実際に利回りが高いSPYD/HDVはコロナショック時に

  • 株価は半値近くまで値下がり
  • 株価の回復まで1年近くかかる
  • 分配金も減配した

と大きな影響を受けました。

一方で、分配金利回りの低いVYM/VIGは

  • 株価の下落幅は小さく収まる
  • 株価の回復期間も半年程度
  • コロナ禍でも増配

と安定した実績を記録しています。

組入銘柄数の比較

ETFの選択時には「組入銘柄数」も重要です。

  • 組入銘柄数が多いほど「分散」が効き、「リスクも低減」されます。
  • ただし、銘柄数が多いほど分配金利回りも分散されるため、分配金利回りが低くなります。

各ETFの組入銘柄数は以下のとおりです。

  • VYM:約400銘柄
  • VIG:約200銘柄
  • SPYD:約80銘柄
  • HDV:約70銘柄

各ETFの投資対象・ETFのコンセプトは以下のとおりです。

  • VYM:「配当利回りが平均以上の大型株」を投資対象としており、銘柄数は400以上に分散
  • VIG:「10年連続増配企業」を投資対象しており、200以上の銘柄に分散
  • SPYD・HDV:70〜80銘柄と銘柄数が少ない分、高利回りを実現
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続いて米国高配当・増配ETF(HDV/SPYD/VYM/VIG)のセクター別シェアの比較

続いて各ETFのセクター別の構成比について比較していきましょう。

ETFを構成している銘柄のセクターは非常に重要です。

  • 分配金利回りの高さ
  • 不況時の暴落耐性
  • リスク分散

などを知ることができます。

セクター別の構成比TOP3を比較

各ETFのセクター別シェアTOP3の比較は以下の通りとなります。

HDVSPYDVYMVIG
1位ヘルスケア
20.54%
金融
17.54%
金融
22.1%
資本財
21.5%
2位エネルギー
17.19%
公益事業
17.22%
ヘルスケア
12.9%
一般消費財
16.6%
3位生活必需品
16.91%
不動産
16.37%
生活必需品
12.8%
ヘルスケア
15.1%
2021年9月時点

文字色が赤い業種は「景気敏感」セクターとなります。

「金融」「不動産」「エネルギー」は景気に非常に敏感なセクターであり、

  • 景気に左右されやすく不況・経済危機には暴落もありうる
  • そのため、リスクが高め
  • その分、配当利回りが高め

といった特徴があります。

一方で、「ヘルスケア」「生活必需品」「公益事業」などは、ディフェンシブなセクターとして知られており

  • 景気に左右されにくい
  • そのためリスクが低め
  • ただし配当利回りも低い

といった特徴があります。

TOP3の構成比から、各ETFの特徴をまとめてみると、

  • HDV:景気敏感セクターは「エネルギー」のみ
  • SPYD:景気敏感セクターは「金融」「不動産」が含まれており、2つで全体の33%を構成
  • VYM:構成比のトップは景気敏感セクターの「金融」。ただし、2位、3位はディフェンシブなセクター
  • VIG:典型的な景気敏感セクターはTOP3に含まれない。ただし、一般消費財・資本財も景気の影響を多少は受けるセクター

となっています。

景気敏感セクターの比率が高いSPYDは、

分配金利回りは「約5%」と非常に高い利回りですが、コロナショック時は株価が半値近くまで下落

しています。

一方で、VYM/VIGは景気敏感セクターの比率が低く

分配金利回りは2%程度と低いですが、コロナショック時の株価下落は比較的小さく、株価の戻りも早い傾向

でした。

ただし、HDVに関しては銘柄のリバランスが頻繁に行われており

  • 2021年6月時点では、「エネルギー」「金融」セクターで全体の33%を構成していた
  • その影響もあって、株価・分配金共に結果は振るわなかった

という注意点もあります。

セクター別の構成比の全体を比較

TOP3だけでなく、全体の構成比を比べてみましょう。

HDVSPYDVYMVIG
金融5.7517.5422.114.2
エネルギー17.1911.846.20
不動産016.3700
資本財4.9010.121.5
一般消費財2.933.618.416.6
素材0.386.14.53
情報技術9.466.077.713.7
通信13.696.377.22.2
公益事業8.0117.228.13.9
生活必需品16.918.8312.89.8
ヘルスケア20.546.0612.915.1
(単位は%。黄色マーカーが各ETFのTOP3セクター)
TOP3セクターは赤色。上のセクターほど景気敏感セクター。

全体を比較してみると、特徴がよりわかりやすくなりますね。

  • HDV:TOP3銘柄の構成比が大きく、全体の55%を占める
  • SPYD:景気敏感セクターの比率が大きく、「金融」「エネルギー」「不動産」で全体の45%を占める。唯一「不動産」セクターを保有している。
  • VYM:トップは景気敏感セクターの「金融」だが、残りはディフェンシブなセクターで構成されており、バランスが良い
  • VIG:一番景気敏感セクターの比率が低い

と、各ETFそれぞれに特徴があることがわかります。

そのため、

ETFだから分散も効いているし、1つのETFだけを買っておけば大丈夫!

というものではなく、

各ETFが、特徴を補い合っているため、組み合わせて保有することで、よりリスク分散が効いたポートフォリオとなる

と言えますね。

一番気になる米国高配当・増配ETF(HDV/SPYD/VYM/VIG)の分配金の推移と増配率の比較

皆さんが一番気にしている「分配金」についての比較です。

各ETFで構成銘柄やセクター比率に違いがあることはわかったよ!

でも結局「分配金」が全てなんだよね・・・。HDVは減配しているし、負け組だよね・・・。

ここでは以下の項目について解説していきます。

  • 2021年の分配金実績(2021年9月時点)
  • 分配金の過去からの推移
  • 増配率の推移

2021年の分配金実績

2021年は3月、6月、9月と3回分の分配金が発表されています。

2020年の同じ月と比較した増配率と、2021年9月時点の累積配当金を見ていきましょう。

タイトルHDVSPYDVYMVIG
3月-3.53%+60.57%+18.40%+8.25%
6月-7.87%+9.08%-10.10%+12.39%
9月-10.18%+46.67%+6.17%+25.47%
9月時点累積-7.11%+38.63%+2.91%+15.65%
(黄色マーカーは2020年同月比で減配)

各ETFで明暗がはっきり別れていますね。

HDV:3期連続減配。

VYM:6月は減配したが、9月は増配し累積では増配。12月が勝負

SPYD/VIG:3期連続増配で、累積でも大きな増配。通年でも増配が確実!

2021年の結果だけを見ると

やっぱりHDVだけ、オワコンだ・・・。SPYDに乗り換えようかな・・・。

と思いたくもなりますよね。

そこで、分配金の過去の推移を比較していきましょう。

分配金の過去の推移

続いて、分配金の過去からの推移を見ていきましょう。

HDVの分配金推移

HDV3月6月9月12月前年比合計
2011年0.2444250.2900320.3806360.915093
2012年0.5259950.5401860.5163770.510864128.77%2.093422
2013年0.53970.5543640.5569580.5794146.54%2.230436
2014年0.5664080.5932820.6263010.6652329.90%2.451223
2015年0.7168150.7247840.7221680.71567317.47%2.87944
2016年0.6768050.6794210.6876230.655685-6.25%2.699534
2017年0.7228840.7181330.731650.7763219.24%2.948988
2018年0.7986210.79640.7911060.708814.95%3.094937
2019年0.822080.7503680.8573810.7789983.68%3.208827
2020年0.9143620.8794970.8507650.92323511.19%3.567859
2021年0.8821180.8103170.764133-31.15%2.456568

2016年に1度減配したが、それ以外は毎年増配を続けている優良ETF

ただし、2021年は2度目の減配の可能性が大

2021年はいまいちだけど、過去は順調に成長してきたんだね!

なんか安心してきた!

SPYDの分配金推移

SPYD3月6月9月12月前年比合計
2016年0.2771920.3255960.3261040.5849711.513863
2017年0.317590.3427520.3628270.398982-6.06%1.422151
2018年0.3487710.3761010.450710.4433513.84%1.618932
2019年0.3394220.4619550.4476760.497177.86%1.746223
2020年0.3961870.3657150.2635720.606617-6.54%1.632091
2021年0.6361590.3989120.386582-12.89%1.421653

増配と減配を繰り返しているETFであることがわかる

ただし、2021年は過去最高だった2019年を大きく超える増配の期待大

2021年の結果が良いだけで、安定していないし・・・。

分配金自体も全然成長していないね・・・。

VYMの分配金推移

VYM3月6月9月12月前年比合計
2009年0.310.280.2570.3211.168
2010年0.2290.2730.2760.313-6.59%1.091
2011年0.310.3350.3070.37521.63%1.327
2012年0.3280.370.4030.49220.05%1.593
2013年0.3610.4190.4370.5329.79%1.749
2014年0.4010.4760.4690.5629.09%1.908
2015年0.4620.560.5280.59912.63%2.149
2016年0.4780.5780.4830.6672.65%2.206
2017年0.560.5960.6020.64318.84%2.4011
2018年0.60840.63020.67180.738810.33%2.6492
2019年0.65160.62470.78640.77917.27%2.8418
2020年0.55440.83680.70530.80962.26%2.9061
2021年0.65640.75230.7488-25.76%2.1575

2011年以降、10年連続増配を続けている超優良ETF

2021年も9月時点の累積分配金はわずかに増配のため、12月分配金ですべてが決まる

すごいきれいに増配していることがわかるね!

10年間で2.5倍に分配金が増えているのも素晴らしい!

VIGの分配金推移

VIG3月6月9月12月前年比合計
2009年0.2760.2310.2310.2410.979
2010年0.2250.250.2670.3067.05%1.048
2011年0.2720.2830.2850.33211.83%1.172
2012年0.2720.3170.3230.49820.31%1.41
2013年0.2880.3450.3570.398-1.56%1.388
2014年0.3290.4080.390.45814.19%1.585
2015年0.4590.4420.4430.47514.76%1.819
2016年0.410.4460.3930.5770.38%1.826
2017年0.4250.5180.430.54615.10%1.9191
2018年0.39670.56570.49810.57726.18%2.0377
2019年0.50970.47340.55230.59854.72%2.1339
2020年0.4740.60060.55750.66447.62%2.2965
2021年0.51310.6750.6995-17.81%1.8876

2013年に1度減配を記録したが、2020年まで7年連続増配中

2021年は10%を超える以上の大幅増配の期待大

さすが連続増配ETF!

10年間で2倍以上に増配している!

年別増配率の推移

さらに詳細に、年別の増配率の推移を見ていきます。

まずは2010年〜2020年の対前年比の増配率をグラフ化してみます。

2020年までの連続増配年数で見ると

  • VYM:10年連続増配(11年間で10回増配)
  • VIG:7年連続増配(11年間で10回増配)
  • HDV:4年連続増配(8年間で7回増配)
  • SPYD:ー(4年間で2回増配)

という結果となります。

VYM/VIG/HDVは減配した年はあるものの、減配はどれも1度のみで、他の年は安定した増配を記録している

ことがわかりますね。

一方で、

SPYDは運用歴が短いながら、すでに2度の減配を記録

しています。

SPYDは分配利回りは高いものの「安定した増配」を期待できるETFとは言えない状況がわかります。

1年だけの結果で判断するんじゃなくて、過去の推移を見ると精神的にも安心するね!

2021年を加味した増配率の推移

こちらが、2021年9月時点の累積分配金の増配率を含めたグラフとなります。

2021年9月時点の累積分配金の増配率は

  • SPYD:38.63%
  • VIG:15.65%
  • VYM:2.91%
  • HDV:-7.11%

となっています。

SPYDの大幅増配が嬉しい限りですが、過去の傾向からしても今年の増配率が高すぎることは明らかですね。

2021年の分配金が高すぎるというよりは、2020年に大きく減配したことによる反動によって増配

と言えます。

同様にHDVに関しても

2021年が悪すぎるというよりは、2020年に一番大きく増配したことによる反動

と言えます。

HDVがオワコンってわけではなくて、去年が良すぎただね!

逆にSPYDは今年は大幅増配だけど、昨年は減配していたんだね!

増配と減配を繰り返すのではなく、VYM/VIGの安定性を見習ってほしいものです・・・。

平均増配率の比較

最後に「平均増配率」についても見ていきましょう。

増配率は高配当・増配ETFを選定する上で、重要な指標となります。

HDVSPYDVYMVIG
1年11.19%-6.54%2.26%7.62%
3年6.56%4.70%6.57%6.17%
5年4.38%6.22%4.77%
10年10.29%8.16%
トータル6.89%1.90%8.64%8.06%
2020年時点の増配率

こちらは2020年までの各ETFの増配率です。

増配率表の見方

2020年を起点として各期間ごとの平均増配率をまとめています。

  • 1年:2019年→2020年の増配率です。コロナショックの影響を大きく受けた期間です。
  • 3年:2017年〜2020年までの3年間の平均増配率です。
  • 5年:2015年〜2020年までの5年間の平均増配率です。
  • 10年:2010年〜2020年までの10年間の平均増配率です。
  • トータル:ETFの設立〜2020年までの平均増配率です。

  • HDV:コロナ禍でも直近1年は大幅増配。ただしトータル増配率はVYM・VIGに負ける
  • SPYD:利回りは高いが増配率は低く、減配も多い
  • VYM:コロナ禍で増配率は下がったが増配は維持。トータル増配率はトップ
  • VIG:「増配」のコンセプト通り、どの区間で区切っても安定した増配率

「増配」をコンセプトにしたVIGの増配率はさすがですが、VYMはその増配率を上回っておりトップです。

「配当利回りが平均以上の大型株」で構成されている、VYMは

  • コロナ禍の直近1年は2%程度の増配率
  • ただし、10年で10%以上の増配率
  • トータルでも8.64と「連続増配」がコンセプトのVIGよりも増配率が高い

と素晴らしい増配率を記録しています。

VYM/VIGは運用実績が15年近くあり、トータルの増配率は8%を超えています。

増配率が8%ということは「10年で配当が2倍に成長」

していることを意味しています。

現在の分配金利回りが低くても、将来的な分配金の成長が期待できる優良なETFと呼ぶことが出来ます。

最後に米国高配当・増配ETF(HDV/SPYD/VYM/VIG)の株価の推移とトータルリターンの比較

最後に、株価の推移と、株価成長&配当金も含めたトータルリターンの比較です。

たとえ配当金がもらえたとしても、株価の成長も含めてトータルでプラスとならなければ意味がないですからね。

株価の推移

こちらが各ETFの5年間の推移を比較したものです。

  • VIG:+88.47%
  • VYM:+45.41%
  • HDV:+16.48%
  • SPYD:+14.21%

となっています。

  • VIGの株価成長は圧倒的
  • VIG/VYMはコロナショックから復帰し、最高値を更新している
  • HDV/SPYDはコロナショック前の高値を一度は更新したが、その後は横ばい

トータルリターンの比較

株価推移と分配金も含めた、トータルリターンを比較してみましょう。

各ETFの直近1年、3年、5年、10年、運用以来のトータルリターンをまとめた表がこちらとなります。

タイトルHDVSPYDVYMVIG
1年23.70%49.84%37.14%34.44%
3年8.39%7.27%11.68%17.21%
5年7.14%8.51%11.43%15.41%
10年10.14%12.28%13.01%
設定来10.34%10.32%8.50%9.95%

直近1年で見ると、コロナショック後の株価の急騰を受けて、どのETFも+20%以上となっています。

しかし、直近3年、5年を見ると、景色が少し違ってきます。

数字上は、

  • HDVの直近3年平均トータルリターン:7.14%
  • VIGの直近3年平均トータルリターン:17.21%

と10%しか違わないように見えます。

しかし、これは「年平均トータルリターン」のため、実際に計算をしてみると

HDV:1.0714*1.0714*1.0714 = 1.23 →つまり3年間で+23%

VIG:1.1721*1.1721*1.1721 = 1.61 →つまり3年間で+61%

と、リターンが40%も変わってくることを意味しています。

3年間で40%も変わってくるなんて・・・。

でも設定来で見ると、HDVが一番成績が良いよね!長期保有が前提だし、HDVを持っている僕は勝ち組だ!

と思っている方は、少し考え直しましょう。

設定来のトータルリターンであれば、「HDV」「SPYD」のほうが上回っているように見えますが、

  • VYM/VIGの運用歴は15年
  • リーマンショック、コロナショックを経験して、10%近いリターンを誇っている
  • 一方で、HDVの運用歴は10年、SPYDの運用歴は6年で、暴落はコロナショックのみ

と運用歴、経験している暴落イベントが全然違います。

そのため、HDVやSPYDが今後同じ期間を運用し続けて、トータルリターンを維持できるかが鍵になってきます。

リーマンショックやコロナショックを経験しても、年平均リターンが8%なんて、凄すぎる・・・。

HDVやSPYDの増配率や株価推移を見ると、とても勝てそうにないや・・・。

とは言え、株式投資の世界では「+5%のリターン」でも市場平均と言われます。

そのため、結局の所

この4つのETFであれば、多少のリターンの差はあるが、どれも超優秀なETF

ということができます。

米国高配当・増配ETF(HDV/SPYD/VYM/VIG)のパターン別オススメETFはどれ?

では、オススメのETFはどれなのでしょうか?

一旦、比較結果をまとめてみます。

HDVSPYDVYMVIG
経費率
純資産額
運用実績
分配利回り
銘柄分散
増配率
トータルリターン
不況耐性
  • 経費率:ほぼ差がなく、世の中一般のETFよりも格安
  • 純資産額:差はあるが、どれも数千億円以上の運用資産があり、安全性がある
  • 運用実績:VIG、VYMは15年近い運用実績。一方、SPYDは5年程度と実績はまだ少ない
  • 分配利回り:SPYDは5%近く頭一つ抜けている。VIGは「高配当ETFではない」ため、利回りは低い
  • 銘柄分散:VYMは400銘柄以上に分散が効いている。HDV/SPYDは70銘柄程度と若干分散に不安
  • 増配率:VYM,VIGはトータル8%以上の増配率。SPYDは運用実績も浅く、安定した増配はしていない。
  • トータルリターン:VYM/VIGは10年平均10%以上のハイリターン。
  • 不況耐性:VIGは景気敏感セクターがほぼなく、コロナショックの立ち上がりも早かった。

私自身は4つのETFを全て保有しています。

それぞれ特徴が異なるため、どれか1つに絞る必要もありません。

私はSPYD・HDVで分配利回りを取りつつ、VIGやVYMでリスクを抑えるといったポートフォリオを組んでいます。

とは言え、全てのETFに投資をすると投資金額も必要なため、どれか1つに絞りたい人もいると思います。

そこでパターン別に、オススメのETFを上げてみます。

パターン①:とにかく現在のキャッシュフローを確保したい方

現在のキャッシュフローを確保したいのであれば「SPYD」一択です。

分配金利回りは「約5%」と、他のETFよりも1%近く高い水準となります。

また、2021年の分配金にも現れている通り、分配金がさらに高騰する可能性も残されています。

SPYDのオススメポイント
  • 分配利回り5%程度と一番高い
  • 2021年の分配金は大幅増配を記録しており、今後のさらなる大幅増配も期待できる
  • 運用歴は浅いものの、HDVよりもトータルリターンは高い

SPYDの注意ポイント
  • 運用実績が浅く、今後の予測が立てづらい
  • 景気敏感セクターが多く、不況時に弱い
  • 分配金が安定せず、減配の可能性も高い

パターン②:長期運用で株価成長を狙いたい

長期運用&株価成長を狙うのであれば「VIG」が一番おすすめです。

S&P 500に匹敵する株価成長を続けており、10年間のトータルリターンは12%と一番高いETFです。

また不況にも強く、安定した株価成長&増配が期待できます。

VIGのオススメポイント
  • S&P500に匹敵する株価成長
  • トータルリターンは10年平均12%と高水準
  • 景気敏感セクターの比率が低く、不況への耐性がある
  • 連続増配銘柄で構成されており、分配金の上昇が期待できる

VIGの注意ポイント
  • 現在の分配利回りが低く、分配金目当てだと物足りなさを感じる
  • 「連続増配ETF」ではあるが、減配の年も存在するため、毎年必ず増配するわけではない

パターン③:キャッシュフローと株価成長をどちらも期待したい

現在のキャッシュフローも得ながら、株価成長も期待したい場合は「VYM」がオススメです。

VYMのオススメポイント
  • 分配利回りは3%程度
  • 10年連続増配中
  • トータルリターンも10年平均11%
  • 銘柄分散が一番効いている
  • 15年近い安心できる運用実績

VYMの注意ポイント
  • 分配利回りが2%台になることも多く、キャッシュフローを感じにくい時もある
  • VIGよりは株価成長は鈍く、キャッシュフロー・株価成長のどちらも中途半端に感じる可能性がある

まとめ:結局はどのETFも超優秀!各ETFの特徴を理解した上で自分にあった投資をしよう!

ここまで、HDV/SPYD/VYM/VIGの2021年9月時点の最新情報を交えつつ、各ETFの特徴を比較してきました。

再度、まとめた表を掲載しておきます。

HDVSPYDVYMVIG
経費率
純資産額
運用実績
分配利回り
銘柄分散
増配率
トータルリターン
不況耐性

どれも「優良ETF」と言えますが、それぞれ特徴が異なります。

各ETFの特徴を理解した上で、自分にあったETFに投資することが重要となります。

  • 現在のキャッシュフローを増やしたいのに、HDV/SPYDに投資する
  • 長期保有でキャピタルゲインを得たいのに、VYM/VIGに投資する
  • 安定性・安全性を重視したいのに、VIGに投資する

周りのインフルエンサーがオススメしていたから、深く理解せず買ってしまう人もいるかと思います。

しっかりと各ETFの特徴を理解した上で、自分の投資方針とあったETFを購入することが重要となってきます。

本ブログでは、今後も米国高配当・増配ETFの情報を発信していきますので、是非参考にしてみてください。

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