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最近、Twitterなどを見ていると「QYLD」っていうETFが人気だよね!
資産1,000万円くらいなのに、年間配当金が100万円を超えているような報告もあるけど本当なのかな?
利回りが10%とか、怖すぎて絶対怪しい商品でしょ・・・
という方に向けて
をわかりやすく解説をしていきます。
最初にみなさんが一番気になる「結局QYLDは買いなのか」について結論だけ記載すると、
となります。
それでは、QYLDについて、様々な角度から解説をしていきます。
QYLDの基本情報と特徴
まずはQYLDとはどんなETFなのか?を見ていきましょう。
QYLDの基本情報
まずは基本情報を見ていきましょう。
種類 | 海外ETF |
銘柄名 | グローバル・X・NASDAQ 100・カバード・コール・ETF (QYLD) (Global X Nasdaq 100 Covered Call ETF) |
運用会社 | Global X Management Company |
信託報酬 | 0.6% (年率・税抜) |
決算 | 年12回 (毎月) |
配当 | あり(配当利回り12.07%/2021年8月25日時点) |
設定日 | 2013/12/11 |
純資産総額 | 4,280億円 |
商品サイト | 運営会社のサイトはこちら |
大人気高配当ETFのSPYDと比較しながら、注目ポイントをまとめると
とSPYDとは少し異なる性質を持ったETFと言えますね。
配当利回りが12%を超えていて、毎月配当金がもらえるなんてすごい!
SPYDよりも運用歴が長いし、純資産額もSPYDとあまり変わらないから、信頼できそう!
では続いて、ファンドの概要や目的を見ていきましょう。
QYLDの概要
カバード・コールの売りで利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。
https://globalxetfs.co.jp/funds/qyld/
QYLDの目的
手数料及び経費控除前の価格及び利回りという点について、CBOE NASDAQ-100®・バイライト・V2・インデックスに連動する投資成果を目指します。
https://globalxetfs.co.jp/funds/qyld/
QYLDの特徴
意味がわからない単語ばかりで、全然理解できない・・・
「カバード・コール」って何???「コール・オプションの売却」って何???
毎月分配は辛うじて意味がわかりますが、他の単語はわからないことばかりですね・・・。
QYLDの基本情報と特徴まとめ
基本情報と特徴をまとめると
というのはわかりやすいのですが、
ですよね。
SPYDであれば、
と非常にわかりやすいのですが、どうも中身が複雑そうですよね・・・。
このあたりはこの後解説します。
QYLDの株価
続いてQYLDの株価推移を見ていきましょう。
こちらはQYLDがNASDAQに上場された、2014年から株価チャートです。
配当利回りは良いけど、株価が右肩下がりになっているのは気になるなー・・・
QYLDの配当金・分配金推移と増配率
続いて、QYLDの分配金推移と増配率を見ていきましょう。
株価と同様、分配金も安定していないことがわかりますね。
ただし、2021年に関しては
と僅かながら増配となっています。
毎月分配金が発表されるため、分配金の傾向を注目しておく必要がありますね。
QYLDのトータルリターンを他のETFと比較
ファンドの中身も複雑そうだし、株価や分配金が安定していないとなると・・・
とは言え、配当利回り10%を超えているんだし、配当金も含めたトータルのリターンは結構良いのでは?
ここからは配当金も含めた、QYLDの年率・トータルリターンと他ETFとの比較について解説していきます。
今回、ETFの比較に使用したのは、下記サイトです。
QYLDの年率・トータルリターン
QYLDの年率・トータルリターンは以下のとおりです。
2014年からの設定来トータルリターンは
と約7年間で2倍になっている計算です。
これを年率リターンで計算をすると、
となります。
となっています。
QYLDと他のETFの比較シミュレーション
株価も下落傾向にあったのに、配当金を入れると大きなプラスになるんだ!
でも他のETFと比較したら、どっちが儲かるんだろう?
ここからは、QYLDのトータルリターンと他のETFの比較を行っていきます。
QYLD vs QQQの比較結果
まずは投資先が同じNASDAQ100である、QQQとの比較です。
QYLDの運用が開始された2014年から比較してみましたが、
と圧倒的な差がついていますね。
年率換算で比較しても
QYLDの9.2%も投資の世界では十分すごい数値なのですが、QQQの22.2%はもはや詐欺を疑うレベルですね。
ただし、最大下落率を見ると
と、QYLDの方が若干下落耐性が高い部分もあります。
投資先が「NASDAQ100」と同じであるにも関わらず、株価・トータルリターンに違いがあるのは
であるためですね。
配当金ではなく、資産の拡大を優先するなら、QQQ一択ですよね。
QYLD vs VOO(S&P500)の比較結果
続いて、アメリカを代表する指数のS&P500に連動するETF「VOO」との比較です。
QYLD vs SPYDの比較結果
続いて高配当ETFの代表格「SPYD」との比較です。
SPYDの方が、運用開始年月が新しいため、SPYDの運用開始年月時点からの比較となります。
なんと、SPYDよりもQYLDの方が、トータルリターンが優れているという結果となりました。
SPYDよりもQYLDの方がトータルリターンも優れており、暴落耐性も高いことがわかります。
年別のリターンで見ても、
という結果でした。
QYLD vs HDVの比較結果
続いて、同じく高配当ETFの「HDV」との比較です。
なんと、SPYDに続き、HDVにも勝利しています。
ただし年別のリターンで見ると、
という結果でした。
QYLD vs VYMの比較結果
最後に高配当ETFの中でも一番堅実で好成績の「VYM」との比較です。
残念ながら、VYMのトータルリターンにはかないませんでしたね。
ただし年別のリターンで見ると、
という結果でした。
比較結果のまとめと他のETFとの比較から見えてくるQYLDの特徴
やっぱりQQQやS&P500に比べるとかなりパフォーマンスは劣るね・・・
でも高配当ETFにはむしろ勝ってたし、かなり良かったんじゃない!
ただ、特定の期間だけ切り取っても意味ないし、各ETFを同じ条件で比較してみたらどうなるんだろう?
と言うことで、比較結果をまとめてみましょう。
他のETFとの比較結果のまとめ
まとめると、以下のとおりです。
なお、先程はQYLDの運用開始時点からの比較でしたが、各ETFを同じ条件で比較するために、
ETF | QYLD | QQQ | VOO | SPYD | HDV | VYM |
QYLD開始時点トータルリターン (2014/1〜) | 96.5% | 362.9% | 185.3% | 76.0% | 84.1% | 121.2% |
QYLD開始時点 年率 | 9.01% | 22.2% | 14.07% | 10.2% | 8.3% | 10.9% |
QYLD開始時点 最大下落率 | -24.74% | -28.56% | -34.01% | -46.38% | -37.04% | -35.22% |
1年平均リターン | 20.14% | 44.06% | 40.77% | 48.95% | 23.70% | 37.14% |
3年平均リターン | 9.29% | 28.37% | 18.64% | 6.85% | 8.39% | 11.68% |
5年平均リターン | 11.50% | 27.97% | 17.61% | 8.00% | 7.14% | 11.43% |
10年平均 リターン | – | 21.26% | 14.80% | – | 10.14% | 12.28% |
設定来平均 リターン | 9.01% | 9.77% | 15.80% | 10.15% | 10.34% | 8.50% |
設定年月 | 2013年12月 | 1999年10月 | 2010年7月 | 2015年10月 | 2011年3月 | 2006年10月 |
配当利回り | 12.07% | 0.46% | 1.28% | 4.72% | 3.56% | 2.71% |
経費率 | 0.67% | 0.2% | 0.03% | 0.07% | 0.08% | 0.06% |
比較結果から見えてくるQYLDの特徴
まとめて比較してみると、QYLDには以下のような特徴が見えてきますね。
つまり、QYLDの特徴を簡単に表すと
と言えますね。
ただし、注意点としては
となります。
QYLDの戦略であるカバード・コール戦略とは?
他のETFと比較すると、QYLDの特徴がよく分かるね!
でも、結局「カバード・コール」とか「コール・オプション」とかってどう言う意味なの?
ここからは、QYLDが実施している「カバード・コール戦略」について解説をしていきます。
最初に簡単に結論だけ記載をすると、
となります。
トータルリターンの解説でもまとめた通り、
という結果にも合致する結論となります。
カバード・コール戦略とは?
まず最初に「カバード・コール」の意味から説明をしていきます。
コールオプションを売って、オプション料を得る取引のこと。このオプション料のことを「オプションプレミアム」と言います。
では「コールオプション」とは何なのか?を説明すると、
特定の価格で買う権利を相手に売ること。
つまり、簡単にまとめると
です。
そして、「カバード・コール戦略」とは
原資産(株式、債券、通貨など)を保有しつつ、コールオプションを売る戦略です。保有する原資産について、権利行使価格以上の値上がり益を放棄する対価としてオプションプレミアムを受け取ります。(出典:ニッセイアセットマネジメント株式会社)
カバード・コール戦略の具体例
ここでは、簡単にカバード・コール戦略の具体例を、数字に表しながら解説します。
- ある株を500ドルで保有(当初株価)
- その株を権利行使価格1000ドルで購入できる権利を売却(カバード・コール)
- オプション料は50ドルとする(オプションプレミアム)
- 300ドル分の値上がり益をゲット
- さらにオプション料の50ドルは獲得
- つまり値上がり益+オプション料の350ドルの得となる
- 200ドル分の値下がり損が発生
- 一方でオプション料の50ドルは獲得
- 本来200ドルの値下がり損のはずが、オプション料の獲得により150ドルの損で済む
- 本来は、500ドル→1,500ドルに上昇したため、1,000ドル分の値上がり益が入るはず
- ただし、1,000ドルで売る権利を売却しているため、500ドル→1,000ドルの500ドル分の値上がり益しか享受できない
- オプション料の50ドルは獲得できる
- つまり、本来は1,000ドルの得だったはずが、550ドルの得に限定される
結局QYLDの購入はおすすめできるの?
うーん・・・オプション取引が難しすぎて、わかったような、わからないような・・・
で、結局、QYLDは購入してもよいの?おすすめできるの?
という、みんなが知りたい結論に入っていきます。
私がQYLDについて調べてきた上で、出した結論は
と考えています。
QYLDのおすすめポイント
私がQYLDの購入が「アリ」と考えている理由は、以下の点です。
圧倒的な配当利回りの高さによって、高配当ETFよりもトータルリターンで勝っているのはかなり心強いですよね。
QYLDの注意ポイント
一方で、QYLDには様々な注意ポイントもあります。
たしかに、現時点のトータルリターンはある程度高く、信頼感もありますが、
が投資の原則であり、「利回りが高いからとりあえず投資」という方にはおすすめできません。
商品の性質などをしっかり理解し、リスクを把握した上で、ポートフォリオの一部に組み込む程度が良いと考えています。
まとめ:QYLDは仕組みが複雑だが悪い投資先ではない!
ここまで、高利回り&毎月配当が特徴のQYLDについて、様々な角度から解説してきました。
改めて、簡単に基本情報と特徴をまとめておくと
そして、他のETFと配当金も含めたトータルリターンを比較してきました。
ETF | QYLD | QQQ | VOO | SPYD | HDV | VYM |
QYLD開始時点トータルリターン (2014/1〜) | 96.5% | 362.9% | 185.3% | 76.0% | 84.1% | 121.2% |
QYLD開始時点 年率 | 9.01% | 22.2% | 14.07% | 10.2% | 8.3% | 10.9% |
QYLD開始時点 最大下落率 | -24.74% | -28.56% | -34.01% | -46.38% | -37.04% | -35.22% |
1年平均リターン | 20.14% | 44.06% | 40.77% | 48.95% | 23.70% | 37.14% |
3年平均リターン | 9.29% | 28.37% | 18.64% | 6.85% | 8.39% | 11.68% |
5年平均リターン | 11.50% | 27.97% | 17.61% | 8.00% | 7.14% | 11.43% |
10年平均 リターン | – | 21.26% | 14.80% | – | 10.14% | 12.28% |
設定来平均 リターン | 9.01% | 9.77% | 15.80% | 10.15% | 10.34% | 8.50% |
設定年月 | 2013年12月 | 1999年10月 | 2010年7月 | 2015年10月 | 2011年3月 | 2006年10月 |
配当利回り | 12.07% | 0.46% | 1.28% | 4.72% | 3.56% | 2.71% |
経費率 | 0.67% | 0.2% | 0.03% | 0.07% | 0.08% | 0.06% |
そして、QYLDを理解する上で、一番難しい「カバード・コール戦略」についても解説してきました。
原資産(株式、債券、通貨など)を保有しつつ、コールオプションを売る戦略です。保有する原資産について、権利行使価格以上の値上がり益を放棄する対価としてオプションプレミアムを受け取ります。(出典:ニッセイアセットマネジメント株式会社)
最後に、QYLDを調べてきた私なりの考えとして、
と解説してきました。
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